『妖怪ウォッチ』が子供の心に与える良い影響が凄すぎる・・・・

遅ればせながら妖怪ウォッチを子供と観はじめたんだけど、その直後にポジティブな効果が子供に表れたんでびっくりした。
このあいだ私がたまたまパパにイラついてて無口になってたとき、子がパパに向かって「ママは今、しゃべらなくなる妖怪がついてるの」って言ったの。これってすげえことだと思うんだけど、つまり、私の問題行動を私の意思と切り離して考えることによって、→
→ 子供は「自分はママに嫌われてる」といういらん誤解をしなくてすむ。母親だって人間だからイライラすることもあるけど、「妖怪」という表象をかませることによって、「問題行動」だけが切り離されて可視化される。
「ママ、妖怪がついてるよ」と言われれば私もクスッと笑ってしまうし、誰も傷つかない。
母親が悪なのではなく、子供が悪なわけでもなく、ただ「妖怪」という問題行動のみがそこにある。問題行動は解決されるべきだが、それは人間性や人間の価値とは無関係だ。
もしこんな効果が、子供達の人間関係にも表れるとしたら、これってすげえことだと思う。だってさ、たとえば「泣き虫」とか「多動」とか子供達はいろいろ欠点を持ってたりすると思うんだけど、「あんな行動するあいつは悪だからみんなでやっつけてやらなくちゃいけない」って発想になるんじゃなくて、→
→それが「あいつには泣き虫妖怪がついてる」って考え方になるんだよ。その子の欠点はその子の人格や人間的価値とは無関係になるの。そしてその妖怪を上手く扱って「友達」になれば(アニメみたいに)、その欠点は「個性」としてみんなの役に立つポジティブな力になる。
もしそんなふうに子供達の心に良い影響を与えるなら、『妖怪ウォッチ』っていうアニメはすごいアニメだなあ。
妖怪ウォッチって、制作に先立って子供たちの悩みをリサーチした結果、人間関係の悩みがすごく多いことがわかって、その悩みをもとにしてつくられたらしいから、子供達にとってはあのアニメに出てくる問題ってすごく「あるある」なんだろうなと思うんだよね。
妖怪ウォッチの主人公は「問題を抱えている側」じゃなくて、「他人の問題行動に迷惑している側」なんだよね。だから基本的には、このアニメは「いろんな人たちと共存していくためにはどうすればいいか」っていう話なの。
妖怪ウォッチっていうアニメは、あらゆる方向から「現代社会の子供たちが抱える悩み(主に人間関係)」にアプローチしていく。他人の迷惑行為を一時的に受け流す方法、問題を本質的に解決する方法、相手を「許す」ことで自分の気持ちを穏やかにする方法、笑い飛ばしてしまう方法。などなど。
おそらく制作者側はそれを意図してつくってる。その意図がどれだけ子供達に伝わるかわからないけど、いくらかは確実に伝わる。そうして子供達の生活は前よりほんの少し「生きやすく」なる。そんな感じ。
妖怪ウォッチの世界では妖怪(問題)は暴力で排除できないし、消滅もしない。その場を立ち去ることはあるけど、いつも世界のどこかをうろうろしてる。そりゃそうなんだよ。社会から問題が「無くなる」なんてことはない。
そういや数年前に大ヒットしたアメリカのTVドラマは、他者の欠点や多様性を受け入れて共存しようっていうテーマを描いてたけど、聖書の「互いに愛し合いなさい」という教えがベースにあったように思う。国民的な一神教を持たない日本では、「妖怪」っていう日本に根差した概念が合ってるのかも
これから妖怪ウォッチ観る人は、とりあえず第1話と、人面犬初登場回(3話)と、コマさんと認MENの回(7話)がオススメだよー。
ただの責任転嫁じゃねーか