エロ漫画。当初は劇画が主流で完全におっさんをターゲットとしたジャンルだったこの奇形の文化も2018年現在では大人から子供（もちろん18歳以上です）まで楽しめる懐の広い世界になりました。

　ここ、DLsiteでは成人向け同人漫画は58574冊。商業の成人向け漫画が49901冊が登録されています。合わせて10万冊を超えており、仮に寿命が８０歳だとしても生まれた瞬間から読み続けてなお一日３冊ずつ読み続けても読み終わらないというとんでもない量のエロ漫画が登録されているということになります。まさに日本の豊かさの象徴とも言えるでしょう。

　さて、そのエロ漫画の中で竿役が果たす役割の重さに対し、読者である私たちの彼らへの思い入れは非常に軽いものでした。むしろ一昔前のＲＰＧやギャルゲーでは主人公の設定や顔が存在しなかったように、幅広い読者が感情移入できるよう竿役はキャラの薄い何者かであることが求められていたせいでもあります。

　しかし先にも述べたとおり分母が増えたためか、細分化が進んだ上にエロ分野にもカップリングとしての価値を求める動きが常態化しつつあります。

　というとわかりにくいですが、要するにただＪＫ・人妻が出ることが求められていた時代から「色黒な金髪ＪＫがさえない同級生に金をもらってやらせてやろうとしたらエロ的に返り討ちに合う話」がいいとか「巨乳の人妻が気持ち悪いおじさんにエロマッサージをされたうえでチン負けする話」とか読者側のニーズが狭く細くなった、ということです。

少なくとも私は人妻が好きですけどただ人妻がでて夫婦でファックするだけの漫画とかお隣さんと浮気するだけの漫画だとそんなにピンと来ないようになってしまっています。

　そんな多様化の進んだエロ漫画・エロＣＧの世界においてある意味最重要ともいえる役割を果たす竿役たち。今回はそんな彼らがどのように多様化しているかを考えていこうと思います。

ここまで荒唐無稽な設定を盛っても、この竿役が邪魔になるわけではない