◆空自岐阜基地が舞台、４月から放映

　飛騨市を舞台としたアニメ映画「君の名は。」の舞台を訪れる「聖地巡礼」の大ブームも記憶に新しい岐阜県。４月からテレビ放映が始まるアニメの新シリーズ「ひそねとまそたん」（ひそまそ）の舞台が、各務原市の航空自衛隊岐阜基地であるとして、インターネットを中心に話題となっている。

総監督を映画「シン・ゴジラ」の樋口真嗣監督が務めるなど豪華スタッフによる作品で、同市の担当者も「盛り上がるのを楽しみにしている」と期待を寄せている。

ひそまそは、樋口総監督と、映画化もされた人気アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の脚本を担当した岡田麿里さんが原作を手掛けたオリジナルアニメ。同基地に勤務し始めた新人自衛官「甘粕（あまかす）ひそね」が、基地に秘匿されていた戦闘機に擬態するドラゴン「まそたん」に乗る－というストーリーだ。

２月にアニメの情報が公開されてから、ネット上でも徐々に注目が集まっている。
放送開始を間近に控え、ツイッターでは「ひそねとまそたんってアニメめっちゃ見たい（地元やし）」や、この春にスタートする各局のアニメの中でも「一番期待してる」というつぶやきも増えだした。

制作するアニメーションスタジオ「ボンズ」（東京都）に、ひそまそについて聞いた。

舞台に同基地を選んだ理由について樋口総監督は「日本で最も歴史のある飛行場で、飛行開発実験団という空自でも唯一の組織がある。（基地が保有する）航空機の種類も豊富で、飛行アクションシーンのバリエーションも描ける」と説明。「物語が要求する『仕掛け』に柔軟に対応できそうな予感があった」としている。

　制作スタッフは昨年２月、岐阜基地を見学しており、登場する建物などはより現実に近いものになりそう。「岐阜基地」や「飛行開発実験団」はそのままの名称で登場する。また、岐阜県ならではのグルメ「漬物ステーキ」やベトコンラーメンも登場するという。樋口総監督は「とても面白い作品に仕上がっている。期待してほしい」としている。

各務原市では、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館がリニューアルオープンしたばかり。アニメがヒットすれば聖地巡礼ブームが起こり、航空機が注目を集める追い風になりそうだ。岐阜基地渉外室も「アニメを通じて少しでも航空自衛隊を身近に感じ、興味を持ってもらいたい。放映を楽しみにしている」とコメントしている。